〜  Q & A シリーズ 4  〜

     『気を付けよう熱中症』  

 Q. 熱中症はどんな状態をいうのですか? 
 A. 熱中症とは高温多湿の環境下で体温や体液恒常性(からだの水分や電解質のバランス)維持に障害をきたした状態をいいます。
原因は長時間炎天下や高温環境に曝されたり、大量の発汗による水分やナトリウムの喪失、水分のみの摂取による低張性脱水などにより起こるといわれています。

 Q. 重症度や症状はどのようにわけられますか? 
 A. 学者により言葉の使い方には差がありますが、日射病、熱けいれん、熱疲労(熱ひはい)、熱射病にわけられます。
症状は「日射病」では頭重感、めまい、一時的な意識障害、顔面蒼白、発汗、冷感などがみられます。
「熱けいれん」では吐き気、嘔吐、めまい、口が渇く、そして筋肉がけいれんをおこし痛みを伴って硬くなります(硬直性有痛性けいれん)。
「熱疲労」では疲労感、口が渇く、脈が多くなる、血圧が下がる、頭痛、発汗、中等度の体温上昇などがみられ危険な前兆です。
「熱射病」は最重症例で場合によっては死にいたることもあります。
意識障害、全身けいれん、過高温(41゜C以上)、脱水性ショック、発汗停止、皮膚の乾燥・紅潮などがみられます。
 Q. 熱中症の予防はどうしたらよいですか? 
 A. 夏の暑い時期はどうしても睡眠が不十分になりがちです。まずは十分な睡眠をとって、体調管理に気をつけましょう。
また、暑くなり始めの頃は、まだ体が暑さになれていません。この時期は大変危険な時期でもあります。
作業や運動中は1時間に5〜10分程度の休憩を木陰などでとりましょう。
その際の水分補充は重要ですが、水だけではナトリウムが不足し、熱けいれんの原因ともなります。岩塩、スポーツ飲料などをこまめにとりましょう。ただし、スポーツ飲料は便利ですがナトリウム含有量が少ないため、かならずしも良いとはいえない場合がありますので注意しましょう。
作業場では、外気を取り入れる工夫や冷風、冷房、スポットクーラーなどの設置を検討してください。
 Q. もし、近くで熱中症の人がでてしまった時はどうしたらよいですか? 
 A. 比較的軽症の場合は風通しの良い所で衣服をゆるめ横にしてください。
食塩水やスポーツ飲料をあたえ脱水を補正します。
重症例では全身を強力に冷却することが必要です。
全身の体表に水を浸したタオルを置き、できれば扇風機やエアコンで送気して熱を発散させるとともに、救急車をすぐによんでください。
みなさんが適格な初期処置を実施する事で尊い命が救われます。
                           2005年6月1日掲載
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